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テッカマンブレード

テッカマンブレード(コミックス版)・村田護朗のメカ解説


コミックスに寄稿された、村田護朗氏のイラストです。村田氏のデザインしたメカたちが描かれています

字なしバージョン
おめでとう入りバージョン
こちらがコミックスに掲載されています

コミックスには、「村田護朗のメカ解説」というコーナーが、4ページに渡って設定イラスト入りで掲載されていました。
その解説文をここに再掲載します。

村田護朗のメカ解説

 あ、どもども、初めまして、スタジオOXの村田です。
 デザイナーが、文章で自分のデザインについて講釈をたれるのは、ちょっとなんだかなー!?って部分もあるのですが、わざわざこういったページを作ってくれたのでまあ、ちょっと「ああ、そんなつもりでデザインしてたのふーん。」ぐらいのつもりで聞いといて下さいな。
 このコミックス版テッカマンのメカは、基本的にメインメカ以外はアニメ版デザイン決定の時に、OXから提出したラフの中からできるだけ使おうと決めていました。が、なにせ内容などが全く違う物になって行ってしまった物ですから必然的にコミックス版用に起こした物も多くなってしまいました。では、早速コミックス版テッカマンブレードのメカデザインの解説に行きましょう!
 まずはペガス、先にメインメカはアニメ版の物を使うと書きましたが、このペガスのデザインはなぜかOX初期案のままです。それは後に登場するダガーペガスとの格闘の末破壊されてしまったペガスを修理する際に、人類のテクノロジーを超えたパーツ、装甲を同じく破壊したダガーペガスより調達した為に外形が変わってしまい、アニメ版のペガスとなる、と言ったような事をOXで考えていたためなんです。ダガーペガスのデザインを見てもらえば各所にアニメ版ペガスのパーツが配置されているのがわかると思います。
 このペガスですが、企画時の提出であるために玩具(おもちゃって言い方の方が好きなんですが)としての制約を大きく受けています。ペガスとしての制約で一番大きな物がテッカマンとほぼ同サイズでなければならないと言う事です。なぜかと言えば、大きくなると価格が跳ね上がり商品として発売する事が難しくなるからですね。と言うわけで漫画の中ではかなり大きいサイズで描かれていますが、デザインした時点ではペガスはテッカマンのほぼ1.2倍くらいの身長しかありません。漫画としてはキャラクターの差別化ですとか、様々な理由で同じくらいの大きさだとかえってつまらないので旧テッカマンのペガス位になっています。さてテッカマンの1.2倍位の身長でペガスの中にテッカマンを収納する為に色々と考えた結果、このペガスの下半身をだまし絵の様な形にしてしまいました。ひざはあるようで無いですし、足首もあるようでいて付いているのはつま先とかかとだけ、股関節に至ってはわきの下から生えています。これで体の中をほぼ完全に箱状にがらんどうになる事が出来たので、ペガスの首のすぐ下からペガスの足の先までテッカマンをびっちりと収納できるわけです。当然ペガスの股の間は素抜けになっていて中がのぞけてしまいますが、その辺はまあごまかすという事で……はっはっはっはっは……。
 実は、このペガスの後に、もう1~2稿デザインがあって、そちらの方が個人的には気に入っている部分も多いのですが変形の解説まで描いてあるのが、これだけだったと言う事もあり、漫画版ではこちらに決まったようです(その辺はよく解らないんです)。
 主ダガーの死に涙し、復習の炎を燃やす悲しきロボット、ダガーペガスの話に行きましょう。こいつは、アニメの方には出てこないので最初は完全にオリジナルとしてデザインしていましたが、前述のようにブレードペガスのパーツとなって……と言った設定が出来上がった時点で当然デザインは変更になってしまいました……しくしく……。
 アニメ版ペガスのパーツを多く持ちながらそれと解らないようにする、少しはテッカマンダガーとつながりを感じさせる部分をつくる、の2点に気をつけましたが、後は結構好きにやらせてもらいました。アニメ版ペガスのパーツには気づいてくれていたでしょうか?それともばればれだったかな?ダガーとのデザイン的なつながりの所は残念ながらヘルメットからぶら下がっているしろこや頬当ての部分または片目である所くらいでしか表現できなかったのは、力不足ですね、片目については絵コンテを書いていた谷崎氏がかっこいい設定をつくってくれました。おお!燃える!浪花節には弱いんだ!
 ダガーペガスの顔は、歯を食いしばって涙を流しているような顔ですが、デザイン画にはどこにもそう行った書き込みをしていないのですが、鈴木氏はそう行った演出をきちんとやってくれています。わかってくれてありがとう!(ってあまりにもみえみえなデザインだったかな?)
 後は、ほんのちょっとしかでなかったレイピアペガスと、エビルペガスも一応前後のデザイン画を起こしています。このあたりになると自分の中で漫画版テッカマンブレードの世界感がかなりこなれて来ていましたので、この2体のペガスのデザインは自分でも結構気に入っています。
 もうシルエットくらいしか出ていないランス、アックス、ソードの各ペガスはかわいそうにデザインの方もあたりをとっただけの状態でとっても悲惨……その場にあわせて原稿に直接描き込んでいました。
 ペガスは中にテッカマンが入って変身する、テッカマンを乗せて移動する、テッカマンのサポートをする、等と明確なキャラクター性が設定されていますのである程度人型をはずした物のほうが面白いのではなかいと思い、今回の漫画版のデザインになっていった訳です。特に顕著だったのがエビルペガスだった訳ですが、どうでした?始めの頃には、本当に馬のような物も考えてみたりもしました。
 最後にソルテッカマンです。これは鈴木典孝氏の希望もあってTV版とは違う物にしてしまいました。いかんせんTV版の方はかっこ良すぎて漫画版の方の地球のテクノロジーでは作れそうになかった、と言うのが一番の理由でした。ただのごつくて思いだけのパワードスーツで持っている武器のみフェルミオン砲で強力と言う物で、これも結構気に入ったデザインです(まあ基本的には自分の描くメカはみんな好きなんですけどね)個人的にはパワードスーツはスレイブアームなどの方式よりも腕の中まで人間の手が入っているオーソドックスなタイプの方が好きですね、以前からパワードスーツ野郎だったのでデザイン作業はひじょうにたのしかったです。一応ヘルメットのひさしになっている部分が、スライドして顔を覆ってガードしスライドした後にはロボットの顔が出るってのを考えて有ったのですが、そんな事をする間もなく漫画の方は終わってしまったので使わずじまいでした。
 コミックス用のデザインは時間がなかったせいもあり、どれもこれもラフなものばかりでしたが、そこを汲んで作画してくれた鈴木典孝氏と助っ人の皆さんご苦労さまでした。
 それでは、この辺で失礼!いずれどこかの作品でまたお会いしましょう!(できればいいなー……)

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